松戸市ことばを育てる会50周年記念式典・講演会

松戸市ことばを育てる会50周年記念式典・講演会」に行ってきました。          

       (H27102日  於 松戸市市民劇場)

講演会は、中川信子さんをお迎えして≪子育て、ことば育て~親や教師ができること~≫のテーマで、言語聴覚士としての魅力を発信して頂きました。

発達とことばの関係、脳のはたらき、こころの育ち、感覚統合の視点からの発達の理解、「ことば・きこえの教室」の役割・「発達マイノリティ」、こころの育ちを支えるために安心できる場(教育・家庭)等、脳幹・大脳辺縁系・大脳「三段重ねのお供え」の解説もたっぷり強調して頂きました。「能力も大事だが心が安定していることが大切・・」という思いが発信され、「ナルホド!」と会場の保護者や教師、また「ことばの教室」の設置校7校の校長先生も参加して頂き、「ことばを育てる会50周年記念式典」に参加された方々へ、発達のベースを整えるベースづくりの大切さが、ユーモアを交えて届けられました。

最後に代表の保護者は、「我が子が小学1年生の時に、中川先生の本を読み心の支えとなり、今は6年生になった節目の年に講演会を開催できて感謝!・・」とのお気持ちを述べられました。

松戸市は千葉県の東葛地域にあり現在人口50万人、私が実習した中部小学校があります。昭和56年のことで、もう30数年前のことです。

「松戸市ことばを育てる会」の歴史によると、3人のお子さんをお持ちの保護者が、市役所に「是非、ことばの教室を作ってください!」という声を伝え、当時の教育長から依頼を受けた当時35歳の松岡満三教諭が、机と椅子ひとつで開設。教材も情報もない中、東京学芸大学や、共立女子大学に行き、言語障害関連の講義を受けたそうです。そして準備会「松戸市言語障害児をもつ親の会」として、昭和40年に発足したとのことでした。保護者や現任の先生方は、「今、ことばの教室にあたりまえに通えているけれど、先輩の方々のお力があってこそ!」と、積み重ねの歴史を語っていました。

現在は、様々な情報が溢れていて、コミュニケーションツールも多様化しています。療育機関や医療機関等も、限られた地域では複数あります。当事者会の必要性が薄れて行く中、しかし社会の中で生活していく将来を想定すると、個人の営みで解決できないことも多々あると思われます。今回、50周年という節目の記念式典に参加することで、改めて当事者会の思いを受けた活動の大切さを感じました。何よりも、準備をしてこられた保護者や関係者の方々が、とても活き活きしていたことが印象的でした。

最後に中川信子さんから、星野富弘さんの詩絵の画像プレゼントがありました。

アリストロメリアの花の絵に添えて・・

  詩:『暗く長い土の中の時代があった 

    いのちがけで芽ばえた時もあった 

      しかし草はそういった昔をひとことも語らず 

   もっとも美しい 今だけを見せている』   (鈴木ST 記)